注目のスタミナセンサー

※雑誌BICYCLE21 7月号記事からの抜粋です。

心臓の鼓動波形と血中乳酸値を アルゴリズム化

スポーツサイクルにおいて一般的な指標として、心拍数、ケイデンス、パワーなど、さまざまなデータがある。それらを活用するにはそれぞれのデータを分析しなければならず、読み取ったデータからリアルタイムにトレーニング強度を調整することには知識と経験が必要だ。
「GoMore」は、わかりやすいひとつの指標gomorearticleとしてスタミナを表示する。それを可能にしたのが、bOMDIC 社のハートウェーブテクノロジーだ。一般的なハートレートモニターは心臓の鼓動の周期を測定するだけだが、「GoMore」のセンサーは鼓動の波形を測定することにより、医療機器に匹敵する高解像度の信号を得ることができる。 運動による疲労度に関係しているのが血液中の乳酸濃度だ。特にはげしい運動をした際、筋肉中に乳酸が蓄積することが知られている。bOMDIC は心臓の鼓動の波形と血中乳酸値とを関連づけ、アルゴリズム化。センサーで測定したデータから乳酸値を導き出し、スタミナという指標で表示することを可能にした。 スタミナとは、クルマにたとえれば燃料にあたるものだ。「GoMore」では、自分のスタミナがどのくらい残っているかを専用 iPhone アプリの画面上にバーで表現する。燃料計を見て航続距離を予測しながらクルマを運転するように、ユーザーはスタミナを表したバーを見てペース配分をすることができる。

無酸素性と有酸素性エネルギーの 消費率を表示

GoMoreScreen01「GoMore」を使用するには iPhone などの iOS 8搭載端末が必要。無料の専用アプリをインストールし、Bluetooth 通信でセンサーと iPhone を接続する。センサーをチェストベルトに取り付けて胸に装着。最初にユーザーの性別、身長、 体重、生年月日を入力した後、キャリブ レーションを行う。キャリブレーションは「GoMore」を起動した状態で、自転車に乗って 10km を全力で走った時に感じたきつさの段階を入力する。これにより、ユーザーひとりひとりに合ったスタミナの正確な算出が可能だ。
アスリートが運動の持続をあきらめてしまう時の理由は4つある。それは、①呼吸の増加 (乳酸の蓄積) ②エネルギーの欠乏 ③意思の欠如 (精神的問題)  ④筋肉疲労の蓄積 (短時間では回復不能)。 このうち「GoMore」は①と②の限界を表示。あとどのくらい運動できるかを 2 本のバーで確認することができる。①に対応するのが「無酸素性エネルギー」のバーで、②に対応するのが「有酸素性エネルギー」のバーだ。GoMoreScreen00
また、運動前のスタミナを100% とした時の、運動中のスタミナ消費量と残量を確認することもできる。これを見て、ツーリングであればゴール地点に向けたペース配分を考えたり、トレーニングであれば強度の見直しをしたりできる。
運動中に潜在的なスタミナと、実際に使用したスタミナがわかるので、あとどれくらい運動を続けられるかがわかるのが「GoMore」の特長だ。また、ワークアウトの終了後にはトレーニングによって向上したレベルが表示されるので、モチベーションアップにもなる。記録されたレポートには、地図上にスタミナが変化した場所も表示される。最適なペース配分を組み立て、前回よりもさらに遠くまで走るプランを立てたり、より効果的 なトレーニングメニューの作成を可能にする。
価格は1万8000円(税抜)。Android 版 アプリは今年7月以降にリリース予定だ。

 

 

 

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