GoMoreだけでLT(乳酸閾値)を測る方法:サイクリング編

GoMoreだけで簡単にLT(乳酸閾値)を測る方法を、スピードメータがある場合と、パワーメータがある場合に分けて、説明します。

測定場所は、一定のスピードで走り続けることができ、GoMoreの画面を常にチェックできることが条件になります。ローラー台というのが現実的でしょうか。GoMoreのキャリブレーションも終わらせておいてください。測定の前に、10分程度以上のGoMoreの無酸素エネルギーが減らないレベルでのウォームアップを推奨します。

・スピードメータを使う場合

スピードが測れる環境を前提とします。GoMoreの有酸素と無酸素エネルギーの二つのバーがある画面を表示し、普段走っていて楽な感じのスピードからスタートします。2分間そのスピードで走ったら、2Km/h〜5Km/hの幅でスピードを上げてまた2分間同じスピードを保持します。その間はギヤを変えること無く、可能な限りケイデンスは一定にしてください。あるスピードに来ると、97%〜100%のレベルを保持していた無酸素エネルギーが急に減り始めます。目安としては、2分間で3%〜5%程度の減少が始まるポイントが、LTと言えるでしょう。その時の心拍数を覚えておきましょう。きっちりとした数字はわかりませんので、だいたいの数字(例えば、150〜155bpm)で結構です。簡単に言うと無酸素エネルギーが急激に落ち始めるポイントがLTということになります。何度か計測するとコツがわかってきます。感覚的には少しキツイ程度の場合が多いですが、この感覚も同時に覚えておいてください。なお、最大でも30分以内でテストを終えてください。

以降は、そのキツイ感覚と心拍数あたりで走ることにより、LTを意識したトレーニングをできるようになります。また、トレーニングを続けて3ヶ月に一度程度計測し、LT時の心拍数とスピードが変化していれば、トレーニングの効果が出ていることの証明になります。(心拍数が減り、スピードがアップしている)

・パワーメータを使う場合

パワーメータが搭載されていることを前提とします。GoMoreの有酸素と無酸素エネルギーの二つのバーがある画面を表示し、普段走っていて楽な感じのパワー値からスタートします。2分間そのパワー値で走ったら、20W上げてまた2分間同じパワーを保持します。その間はギヤを変えること無く、可能な限りケイデンスは一定にしてください。あるパワー値に来ると、97%〜100%のレベルを保持していた無酸素エネルギーが急に減り始めます。目安としては、2分間で3%〜5%程度の減少が始まるポイントが、LTと言えるでしょう。その時の心拍数を覚えておきましょう。きっちりとした数字はわかりませんので、だいたいの数字(例えば、150〜155bpm)で結構です。簡単に言うと無酸素エネルギーが急激に落ち始めるポイントがLTということになります。何度か計測するとコツがわかってきます。感覚的には少しキツイ程度の場合が多いですが、この感覚も同時に覚えておいてください。なお、最大でも30分以内でテストを終えてください。

以降は、そのパワー値か心拍数あたりで走ることにより、LTを意識したトレーニングをできるようになります。また、トレーニングを続けて3ヶ月に一度程度計測し、LT時のパワー値と心拍数が変化していれば、トレーニングの効果が出ていることの証明になります。(心拍数が減り、パワーがアップしている)

GoMoreだけでLT(乳酸閾値)を測る方法:ランニング編

GoMoreだけで簡単にLT(乳酸閾値)を測る方法を、ランニングとサイクリングとそれぞに分けて説明します。

測定場所は、一定のスピードで走り続けることができ、GoMoreの画面を常にチェックできることが条件になります。トレッドミルかローラー台というのが現実的でしょうか。GoMoreのキャリブレーションも終わらせておいてください。測定の前に、10分程度以上の、GoMoreの無酸素エネルギーが減らないレベルでのウォームアップを推奨します。

・ランニング

トレッドミルでの測定を前提とします。GoMoreの有酸素と無酸素エネルギーの二つのバーがある画面を表示し、普段走っていて楽な感じのスピードからスタートします。2分間そのスピードで走ったら、0.3Km/h〜0.5Km/hの幅でスピードを上げてまた2分間同じスピードを保持します。要するに2分毎にどんどんスピードを上げて行きます。あるスピードに来ると、97%〜100%のレベルを保持していた無酸素エネルギーが急に減り始めます。目安としては、2分間で2%〜5%程度の減少が始まるポイントが、LTと言えるでしょう。その時の心拍数を覚えておきましょう。きっちりとした数字はわかりませんので、だいたいの数字(例えば、150〜155bpm)で結構です。簡単に言うと無酸素エネルギーが急激に落ち始めるポイントがLTということになります。何度か計測するとコツがわかってきます。感覚的には少しキツイ程度の場合が多いですが、この感覚も同時に覚えておいてください。なお、最大でも30分以内でテストを終えてください。

以降は、そのキツさと心拍数あたりで走ることにより、LTを意識したトレーニングをできるようになります。また、トレーニングを続けて3ヶ月に一度程度計測し、LT時の心拍数とスピードが変化していれば、トレーニングの効果が出ていることの証明になります。(心拍数が減り、スピードがアップしている)

血中乳酸濃度を実際に測ってみた

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協力して頂いたのは、ジャパンプロツアー(JPT)に参戦しているシエルヴォ奈良の西沢選手です。先日開催された大磯クリテリウムのエリートクラスで見事優勝したところです。

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測定の方法は、2分間を一定のペースで漕ぎ、次の1分間で測定し、20Wずつアップしていき、踏み続けられなくなるまで行うというものです。15分間のウォーミングアップ後180Wからスタートしました。あまり詳細の結果はご報告できませんが、西沢選手の場合、血中乳酸濃度が2.6mmol/L(実測値)あたりが、乳酸閾値であることがわかりました。GoMoreの予測数値との比較において、閾値を超えた後の急激な血中乳酸濃度の上昇カーブは、GoMoreの予想カーブとほぼ近似となりました。ちなみに、GoMoreでは、血中乳酸濃度の絶対値は予測出来ませんので、閾値と思われる値で絶対値を調整してます。(このグラフは、アプリケーションで測定される値を加工して作成しています。)

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運動時の血中乳酸濃度を測定するにあたり、乳酸値の絶対値を比較してもあまり意味はありません。乳酸値が急激に変化する負荷レベル(乳酸閾値)と最大の血中乳酸濃度と想定される負荷レベルの相対的な遷移の度合いが重要となります。これは、同じ条件下でも人により血中乳酸濃度にばらつきが見られることによります(ただし、便宜上乳酸閾時の血中乳酸濃度を仮に4mmolとする場合が多い)。結局は、実際に血中乳酸濃度を測っても、プロットしたグラフのグラフの傾きを見て運動強度と疲労具合を予測することになります。