FTPテストの精度を上げる

FTPテストで難しいのは、20分間で全力を出し切ったかどうかわからない点です。20分は決して短い時間ではないので、その間にペース配分を考えてしまい、余力を残してしまうことが多いようです。パワーメーターや心拍計だけでは、精度の高いテストを行うことは難しいと言わざるを得ません。GoMoreを使うことで、余力を残さずに20分間を走りきり、精度の高いFTPテストの結果を得ることが可能となります。
スタミナ推移

上記のグラフは、二人の被験者がFTPテストを行っている際のGoMoreのスタミナ推移を表しています。赤いグラフの人は、残量5%まで追い込んで20分間のFTPテストを終了しているため、精度の高いFTPテスト結果を得ることができます。しかし、青いグラフの人は15%のスタミナがまだ残っているため、FTPの数値としては正確とは言えません。再度テストが必要なようです。

下記の2つのグラフは、パワーメーターを使ってそれぞれの被験者について、出力(Watts)、心拍数(bpm)、ケイデンス(rpm)の推移を表しています。これを見ると両者とも同様な心拍推移を示しており、出力に関しても度合いの違いこそあれ、同様な推移を示していることがわかります。パワーメーターと心拍計を使ったこのような結果からは、被験者が全力を出し切った値か、余力を残した値かが数値化されておらず、精度の高い結果かどうかの判別はできません。

*FTPテストでは、RPE(主観的運動強度)を最大にすることが望ましいのですが、心拍計やパワーメーターでは最大かどうかの判別ができません。

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乳酸閾値:LT(Lactate Threshold)を意識したトレーニングをする

LT:Lactate Threshold(乳酸閾値)を理解して、心肺にかかる負荷を調整しながらランニングやサイクリングなどの運動を行うと、目的にあった効率的で安全な体力の強化が可能になります。LTを上げることが持久能力の向上に繋がりますので、意識することは大切です。

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上記画面を見てください。グラフの上部の赤い線(心拍数)が、濃いグレー部分に入った時、無酸素領域に入ったことを表しています。この無酸素領域に入る境界あたりが、LT(乳酸閾値)と想定されます。

この人の場合、心拍数150〜155以下ぐらいで運動することにより、有酸素トレーニングが出来ます。この数値を目安に、様々な有酸素、無酸素の各種トレーニングを行ってください。(ただし、この値も変化してきます。)また、LT付近のキツさの感覚を覚えられるとなお良いです。キツさの感覚は、ややきつい〜きつい感じになります。(RPE:主観的運動強度の13〜15ぐらい)ちなみに、LTの心拍数を、LTHRと言います。

なお、ローラー台や高温多湿の状態で一定の負荷で運動を続けていると、心拍数が徐々に上がっていきます(カーディアック・ドリフト)。逆に、同じ心拍を維持するようなトレーニングでは、実際の負荷が下がることになりますので、やはり、GoMoreの画面を見て、無酸素エネルギーの下がり方を見ながら、トレーニングすることをお勧めします。

ガーミン(Garmin)やポラール(Polar)などの心拍計だけでは、個々人の血中乳酸値と心拍数の関係を測定することは出来ませんので、心拍数と血中乳酸値から疲労度を測定することが出来るGoMoreは、大きなアドバンテージがあると言えるでしょう。

 

オーバーワークを避けるインターバルトレーニングの方法

高負荷なインターバルトレーニングの場合、何度目かでオーバーワークになることが多いです。特に、アマチュアアスリートの場合は、オーバーワーク後のパワーが出ない状態でインターバルトレーニングを続ける傾向があり、怪我の元になったり、効果の薄いトレーニングとなったりします。

これを避けるため、インターバルトレーニングの目標回数をこなす時に、負荷のレベルを下げる必要があります。このペース配分にGoMoreを使うことが出来ます。これは、心拍計では出来ません。高負荷後のスタミナをみて、一度にどれくらい下がるかを計算できれば、何回続けられるかの目安がわかります。例えば、一回の高負荷部分が終わった時に、スタミナが30パーセント減って、インターバル中に5パーセント戻るようであれば、3〜4回の高負荷部をこなすことが出来る計算になります。

もし、途中でスタミナゼロになったら、有酸素領域の負荷に戻し、無酸素エネルギーの回復を待ちます。それがある程度戻ってからインターバルトレーニングを再開すれば、無理のない効果的なトレーニングとなるでしょう。

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スタミナとは?

最近、スタミナって何?とよく聞かれるので簡単にまとめたいと思います。(詳細な説明は、ホワイトペーバーをお読みください)

結論から言いますと、スタミナとは主観的運動強度と、その時点での負荷を継続した時に到達できる距離の二つの指標のことです。

まず、オールアウトの状態がスタミナゼロとなります。要するにもう走れない状態をスタミナゼロとしています。それでは、スタミナXXパーセントとはどういうことでしょうか。これは、主観的運動強度(RPE)に基づいた数値となっています。

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主観的運動強度とは、主観的な疲労度をパーセンテージで表現したものです。この指標は、運動強度を測る時によく使われるものです。感覚的な指標に見えますが、この感覚に連動する科学的な数値計算(血中乳酸量、エネルギー消費量等)は存在しています。表を見ていただければわかりますが、スタミナが20パーセントの時には、主観的運動強度は、”たいへんつらい”状態です。更に、GoMoreにおけるスタミナの意味は、継続運動可能距離という指標をプラスしていることにあります。

 

GoMoreを使った面白いランニングのトレーニング法(LT:乳酸閾値を感覚で理解する)

GoMoreは、スマートフォンを使ってリアルタイムで体の状態を見ます。胸に巻いたスタミナセンサーの本体とスマートフォンとの距離は最大10メートルあります。複数人でトレーニングする時、トレーナー役の人にスマホを持ってもらえば、客観的にトレーニングの強度を調整することが出来ます。トレーナー役の人は、自転車に乗りランナーの状態を見ながら、適切なスピードの指示を出しましょう。

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平坦な練習コースを走り、無酸素エネルギーの減る割合をチェックします。その時、有酸素エネルギーの減り方より無酸素エネルギーの減り方がかなり早い場合、LT(乳酸閾値)を超えている可能性が高いので、ペースを調整しましょう。この時のしんどさのレベルをランナーが記憶できれば、感覚でLTを超えないように走ることができるようになります。その時の心拍数を見ていると、さらに良いです。心拍数というのは、LTを決める大きなファクターの一つですから、心拍数が一つの目安にもなります。

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