【活用レポート】Y’s Road河合様

idx_im01-1日本最大級のスポーツサイクル専門店 Y’s Roadの「TEAM Y’s Road」に所属する河合さんから、GoMoreを1年間使ってみた感想が届きました。

私のような社会人レーサーは週末以外、個人での練習が主になるため、ハートレートモニターなどはあるものの、運動強度は自身の主観での判断になり、本当に限界まで追い込めているかは感覚や経験でしか分からず、追い込むべき日に余力を残したまま練習を終える、もしくは不調にも関わらず追い込んでオーバートレーニングになってしまうことも多かったと思います。

指導者やライバルがいない環境の中で、自分を限界まで追い込むことは困難ですが、GoMoreを使用すれば乳酸値から科学的・客観的に残りのスタミナを測定してくれるので、練習量や強度を自分自身でコントロールできるようになります。

1002480_1380742015481299_1530667699_n-1またそれは指導者の見立てなどよりも正確なものにもなっています。そういった点で、指導者のいない社会人選手にとってGoMoreはトレーニングの指標として最適な機材であるし、場合によっては指導者のいる選手に対してアドバンテージを持てる部分にもなってくると思っています。

実際に私がトレーニングで使用したところでも、自分自身が今まで感覚的に限界だと判断していた強度と量を行ってもGoMoreの測定だとまだスタミナの余力ありと判断されることが多かったです。
そして、そのままGoMoreのスタミナ0%を目指してメニューを継続すると、特に無酸素系でのスタミナ残0%に達するには地獄の苦しみではあるのですが、確かにそこまでは継続できるので、表示される数値が正しいことを体感することができます。
生理的な指標としてハートレートモニター(心拍)はその瞬間の運動強度をおおよそ反映して表すことはできるが絶対的なものではないし、蓄積した疲労の度合いを見ることはできない。パワーメーターはあくまで機械的な数値を示している。私はこれらメジャーな測定機器では生理的な変化を知るには不十分と感じて、LT値測定のためにオキシノメーター(酸素飽和度計)まで購入したことがありますが、常時着用する仕様ではないためあまり役には立たなかったという経験があります。

■GoMoreを使ってみて
本格的な施設で高額な機材を使えば運動強度や生理的な疲労の度合いを測定することはできるのでしょうが、一般の選手にはそれらを使う環境がないと考えると、GoMoreは手に入れやすい価格で乳酸値を推定して生理的なスタミナの変化を客観的にタイムリーに表示してくれる素晴らしい製品だと思います。GoMoreの示す数値は心拍やパワー以上にトレーニングの指標として有用性が高いと感じています。
乳酸値が測定でき、そこから残りのスタミナを推定してくれるという話を初めて聴いた時からとても興味深い機材だと感じていましたが、実際に使用してみて期待以上に役立ってくれています。今後もGoMoreが普及してアプリの機能追加や他機材との連携などの拡張・発展をしてくれたらと期待しています。今後もどうぞよろしくお願い致します。

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GoMoreだけでLT(乳酸閾値)を測る方法:サイクリング編

GoMoreだけで簡単にLT(乳酸閾値)を測る方法を、スピードメータがある場合と、パワーメータがある場合に分けて、説明します。

測定場所は、一定のスピードで走り続けることができ、GoMoreの画面を常にチェックできることが条件になります。ローラー台というのが現実的でしょうか。GoMoreのキャリブレーションも終わらせておいてください。測定の前に、10分程度以上のGoMoreの無酸素エネルギーが減らないレベルでのウォームアップを推奨します。

・スピードメータを使う場合

スピードが測れる環境を前提とします。GoMoreの有酸素と無酸素エネルギーの二つのバーがある画面を表示し、普段走っていて楽な感じのスピードからスタートします。2分間そのスピードで走ったら、2Km/h〜5Km/hの幅でスピードを上げてまた2分間同じスピードを保持します。その間はギヤを変えること無く、可能な限りケイデンスは一定にしてください。あるスピードに来ると、97%〜100%のレベルを保持していた無酸素エネルギーが急に減り始めます。目安としては、2分間で3%〜5%程度の減少が始まるポイントが、LTと言えるでしょう。その時の心拍数を覚えておきましょう。きっちりとした数字はわかりませんので、だいたいの数字(例えば、150〜155bpm)で結構です。簡単に言うと無酸素エネルギーが急激に落ち始めるポイントがLTということになります。何度か計測するとコツがわかってきます。感覚的には少しキツイ程度の場合が多いですが、この感覚も同時に覚えておいてください。なお、最大でも30分以内でテストを終えてください。

以降は、そのキツイ感覚と心拍数あたりで走ることにより、LTを意識したトレーニングをできるようになります。また、トレーニングを続けて3ヶ月に一度程度計測し、LT時の心拍数とスピードが変化していれば、トレーニングの効果が出ていることの証明になります。(心拍数が減り、スピードがアップしている)

・パワーメータを使う場合

パワーメータが搭載されていることを前提とします。GoMoreの有酸素と無酸素エネルギーの二つのバーがある画面を表示し、普段走っていて楽な感じのパワー値からスタートします。2分間そのパワー値で走ったら、20W上げてまた2分間同じパワーを保持します。その間はギヤを変えること無く、可能な限りケイデンスは一定にしてください。あるパワー値に来ると、97%〜100%のレベルを保持していた無酸素エネルギーが急に減り始めます。目安としては、2分間で3%〜5%程度の減少が始まるポイントが、LTと言えるでしょう。その時の心拍数を覚えておきましょう。きっちりとした数字はわかりませんので、だいたいの数字(例えば、150〜155bpm)で結構です。簡単に言うと無酸素エネルギーが急激に落ち始めるポイントがLTということになります。何度か計測するとコツがわかってきます。感覚的には少しキツイ程度の場合が多いですが、この感覚も同時に覚えておいてください。なお、最大でも30分以内でテストを終えてください。

以降は、そのパワー値か心拍数あたりで走ることにより、LTを意識したトレーニングをできるようになります。また、トレーニングを続けて3ヶ月に一度程度計測し、LT時のパワー値と心拍数が変化していれば、トレーニングの効果が出ていることの証明になります。(心拍数が減り、パワーがアップしている)

乳酸性閾値(LT)とは何か?

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改めまして、乳酸閾値(LT)とは何かを簡単にご説明したいと思います。

運動の強度を上げていく時、血中乳酸濃度が劇的に上がり始めるポイントのことを乳酸閾値と言います。この時、呼吸が激しくなるような生理学的変化が起こり、エネルギーを大きく消費し始めます。一般的には、約1時間の運動を持続できるペースと言われています。血中乳酸濃度は、人それぞれその時の状態により変化するため絶対値は重要ではありません(ただし、4m/molをOBLA:血中乳酸蓄積開始点として便宜上、乳酸閾値とする場合もあるようです)。

運動の強度を計る方法として、酸素摂取量、心拍数、血中乳酸濃度が一般的ですが、その中でも、乳酸性閾値は選手のパフォーマンスを予測できるものとして、最大酸素摂取量(VO2Max)よりもはるかに優れているという研究結果が出ています。また、乳酸性閾値は、VO2Maxよりもトレーニングによって変化しやすいため練習の成果を判断するための指標として最も適していると言えるでしょう。

トレーニングの成果を知りたい人は、タイムを見るだけでなく、乳酸閾値を定期的に計ることをお勧めします。なお、GoMoreを使った乳酸閾値の測定方法の実例は、次回のブログにてご紹介する予定です。

 

 

GoMoreスタミナセンサーとローラー台で、質の高いトレーニングを!

木枯らしが吹き荒れるこれからの季節、外での練習は寒くて寒くて、大変ツラいですよね。やっぱり、これからの季節は鍋と熱燗とローラー台が恋しくなります。

ローラー台

ローラー台の練習で問題なのは、そのあまりの単調さに(特に固定ローラー!)途中で気が狂いそうなってしまい、短時間しかできないことでして、結局自分を追い込むのは相当難しいです。GoMoreスタミナセンサーを付けて、ローラートレーニングを行うと、その単調な練習に新しいモチベーションを与えることが出来ます。無酸素エネルギーがどんどん減っていくのを見ると、モチベーションが上がります。おまけに、自分の目標としている値までスタミナを消費することができれば、トレーニングのボリュームをはっきりと目視することが出来ます。

結果として、ローラー台のトレーニングのクオリティを飛躍的にアップすることが出来ます。

冬の寒い季節には、ぜひお試しください!

 

FTPテストの精度を上げる

FTPテストで難しいのは、20分間で全力を出し切ったかどうかわからない点です。20分は決して短い時間ではないので、その間にペース配分を考えてしまい、余力を残してしまうことが多いようです。パワーメーターや心拍計だけでは、精度の高いテストを行うことは難しいと言わざるを得ません。GoMoreを使うことで、余力を残さずに20分間を走りきり、精度の高いFTPテストの結果を得ることが可能となります。
スタミナ推移

上記のグラフは、二人の被験者がFTPテストを行っている際のGoMoreのスタミナ推移を表しています。赤いグラフの人は、残量5%まで追い込んで20分間のFTPテストを終了しているため、精度の高いFTPテスト結果を得ることができます。しかし、青いグラフの人は15%のスタミナがまだ残っているため、FTPの数値としては正確とは言えません。再度テストが必要なようです。

下記の2つのグラフは、パワーメーターを使ってそれぞれの被験者について、出力(Watts)、心拍数(bpm)、ケイデンス(rpm)の推移を表しています。これを見ると両者とも同様な心拍推移を示しており、出力に関しても度合いの違いこそあれ、同様な推移を示していることがわかります。パワーメーターと心拍計を使ったこのような結果からは、被験者が全力を出し切った値か、余力を残した値かが数値化されておらず、精度の高い結果かどうかの判別はできません。

*FTPテストでは、RPE(主観的運動強度)を最大にすることが望ましいのですが、心拍計やパワーメーターでは最大かどうかの判別ができません。

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乳酸閾値:LT(Lactate Threshold)を意識したトレーニングをする

LT:Lactate Threshold(乳酸閾値)を理解して、心肺にかかる負荷を調整しながらランニングやサイクリングなどの運動を行うと、目的にあった効率的で安全な体力の強化が可能になります。LTを上げることが持久能力の向上に繋がりますので、意識することは大切です。

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上記画面を見てください。グラフの上部の赤い線(心拍数)が、濃いグレー部分に入った時、無酸素領域に入ったことを表しています。この無酸素領域に入る境界あたりが、LT(乳酸閾値)と想定されます。

この人の場合、心拍数150〜155以下ぐらいで運動することにより、有酸素トレーニングが出来ます。この数値を目安に、様々な有酸素、無酸素の各種トレーニングを行ってください。(ただし、この値も変化してきます。)また、LT付近のキツさの感覚を覚えられるとなお良いです。キツさの感覚は、ややきつい〜きつい感じになります。(RPE:主観的運動強度の13〜15ぐらい)ちなみに、LTの心拍数を、LTHRと言います。

なお、ローラー台や高温多湿の状態で一定の負荷で運動を続けていると、心拍数が徐々に上がっていきます(カーディアック・ドリフト)。逆に、同じ心拍を維持するようなトレーニングでは、実際の負荷が下がることになりますので、やはり、GoMoreの画面を見て、無酸素エネルギーの下がり方を見ながら、トレーニングすることをお勧めします。

ガーミン(Garmin)やポラール(Polar)などの心拍計だけでは、個々人の血中乳酸値と心拍数の関係を測定することは出来ませんので、心拍数と血中乳酸値から疲労度を測定することが出来るGoMoreは、大きなアドバンテージがあると言えるでしょう。

 

オーバーワークを避けるインターバルトレーニングの方法

高負荷なインターバルトレーニングの場合、何度目かでオーバーワークになることが多いです。特に、アマチュアアスリートの場合は、オーバーワーク後のパワーが出ない状態でインターバルトレーニングを続ける傾向があり、怪我の元になったり、効果の薄いトレーニングとなったりします。

これを避けるため、インターバルトレーニングの目標回数をこなす時に、負荷のレベルを下げる必要があります。このペース配分にGoMoreを使うことが出来ます。これは、心拍計では出来ません。高負荷後のスタミナをみて、一度にどれくらい下がるかを計算できれば、何回続けられるかの目安がわかります。例えば、一回の高負荷部分が終わった時に、スタミナが30パーセント減って、インターバル中に5パーセント戻るようであれば、3〜4回の高負荷部をこなすことが出来る計算になります。

もし、途中でスタミナゼロになったら、有酸素領域の負荷に戻し、無酸素エネルギーの回復を待ちます。それがある程度戻ってからインターバルトレーニングを再開すれば、無理のない効果的なトレーニングとなるでしょう。

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パワーメータPowerTapを使ったトレーニング3

赤坂のGSAstutoさんにて、GoMoreとPowerTapを使ったトレーニングのレポートの3回目です。10分×5回ほどローラーの負荷が上がるインターバルトレーニングで、軽いヒルクライムの練習のような感じです。FTPの70パーセント程度を目標にしていますので、GoMoreの指標では、無酸素エネルギーがわずかに減っていく感じになります。言い換えると、乳酸閾値(LT)を超えない範囲でのトレーニングになります。

ちなみに、GoMoreの無酸素エネルギーの減り方を見ていると、LTを超えたかどうかが自分でわかるようになってきます。この時、心拍数も重要な指標になりますが、GoMoreを使ったトレーニングの回数を重ねると、逆に心拍数からLTがわかるようになります。負荷を自分で容易に調整できるようになるんですよねえ。(なお、心拍数はコンディションなどによっても変わってきますので、心拍数だけでは正確な判断は難しいと思います)

1時間程度、有酸素系をこなした後、これだと心肺のトレーニングとしてはもの足らないので、最後の5分程度ですが、強度を一気に上げて、全力で無酸素エネルギーを使い切ります。GoMoreのスタミナ0パーセントになるまでもがきました。(これがしんどい!)終わった後は、疲労困憊ではありますが、満足感と疲労感が心地良いです。

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パワーメータ(PowerTap)を使ったトレーニング2

今回も赤坂にあるGSAstutoさんで、GoMoreを使ったトレーニング編です。前回は、一定のペースで効率的にスタミナを使い切ることを目標に行いましたが、今回はインターバル的な要素を入れた、よりハードなトレーニングとなります。

GoMoreとPowerTapの二つの胸バンドをして、トレーニング開始。今回は、私のFTP値を180Wと設定して、そのパーセンテージを見ながら負荷を上下します。10分程度の高負荷を3回繰り返し、その間に低負荷のインターバルを入れます。パワートレーニングが優先されるため、負荷(ワット数)が高くなり、GoMoreの無酸素エネルギーが急激に減っても、その負荷を続けます。ただし、スタミナが100パーセント消費した段階で一旦負荷を落とすことにしました。

高負荷トレーニング時における最大領域に近い心拍数でも、その値が一定であれば、それほど問題では無いのことで、GoMoreの心拍を見ながら、高負荷に耐えます。この時、GoMoreの心拍計の正確さがモノを言います。他のデバイスでは、心電図の波形を見ているわけでは無いので、突然心拍数が上がったり下がったりしますが、GoMoreではほとんどそのようなことが起きません。ですので、安心して追い込むことができます。実際、GoMoreでの最大心拍数は、安定した数字が出てました。IMG_0992 IMG_0993

2回目の高負荷部分途中で、残念ながら100パーセントのスタミナを使ってしまったので、一旦ペースダウンして回復を待ちました。この時、個人的な感覚では、結構きてる状態で続けられる気がしませんでしたが、心拍を落としすぎないレベルでペダルを回し続けます。約10分弱でスタミナが40パーセント弱まで回復したので、再度高負荷のトレーニングに入りました。結果のグラフが以下となっています。

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最大心拍を185まで上げましたが、実はここまで上げると、翌日以降に心臓にダメージが残るのですが(若い時はそんなことなかったんだけどな〜)、今回はまったくありませんでした。

なお、このトレーニングは、すべての機能を向上させることができるそうです。つらいですが、効果は抜群な感じでした。ただ、一人では、ここまで追い込むことは出来ないと思います。絶対気持ちが折れます。また危険です。ライセンスを持ったトレーナーにトレーニングメニューを考えてもらい、ずんずん追い込んでもらいましょう。GSAstutoのTimさん、Jamesさん、Thanksです!

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トレーニング中の細かいデータです。メールにて送られてきます。

 

 

パワーメータ(PowerTap)を使ったトレーニング1

赤坂にあるGSAstutoさんで、GoMoreを使ったトレーニングをしてきました。USのコーチングのライセンスを持つ、Timさんのインストラクションを受けながら、自転車のローラー台を使ったパワートレーニングを行いました。

PowerTapを使ったパワートレーニングに、GoMoreのスタミナトレーニングを組み合わたものになります。私の身長、体重などのデータから100Wから120W程度を目安にして、GoMoreの無酸素エネルギーの消費ペースと心拍を見ながら、強度を調整しスタミナゼロを目指すことにしました。今回は、どちらかというと、私の運動レベルを測るためのキャリブレーションに近い意味合いとなりました。なお、私のトレーニングの目的は、適切なカロリー消費と健康維持とスポーツを楽しむことです。(←これ、大事です。レースでポディウムに立つとか、TTのタイムを上げるとかだと、トレーニングのメニューが変わってきます)

ポイントとしては、

  • 一定の出力を保つ(これがなかなか難しい)
  • 無酸素エネルギーの消費ペースと心拍数の上昇をチェックする(私の場合は、だいたい147ぐらいの心拍数を超えると無酸素運動領域に入ることが、これまでのGoMoreを使ったトレーニングでわかっている)
  • スタミナゼロになるまで、がんばる(スタミナゼロになりましたが、もう少しプッシュできる気がしました。今回はキャリブレーションの意味合いが違うためやりませんでした)

結果として、綺麗なスタミナ消費曲線を描くことが出来ました。効率的にエネルギーを発生させる(パフォーマンスがベストに近い)状態のトレーニングでした。この結果、翌日以降に疲れやダメージが残るということはありませんでした。

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Gomoreの画面。放物線を描くようにスタミナ落ちるのが理想です。

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最大カロリーを700Kしか消費できない。増やす必要あり。

 

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パワータップの画面。

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